細胞診
細胞診は「がんを疑うような異常な細胞がないかどうか」を調べる検査です。
- 採取した細胞を色素で染色し、異常がないかどうか顕微鏡で観察する方法です。
- がんの前段階である異形成は、病変を発見できないこともあります。
- 検査結果は日母分類と呼ばれるクラス分類(右図)に従い判定され、クラスIIIa以上の場合は精密検査を行います。
子宮頸がんは以下の特徴があるため、定期的な検診でがんになる前に発見することができます。
20歳代前半まで:細胞診(性交渉を経験してから3年以上たっている人)
20歳代後半以上:細胞診とHPV検査(但し、20歳代ではHPVが陽性でも、実際には異常がないことがしばしばあります)
医療機関に行って定期的な検診を受けるのが望ましいのですが、行くことができない時は、子宮頸がんセルフチェック(自己採取によるHPV検査)を利用するのも子宮頸がんの予防には有効です。
子宮頸がん検診の検査法には細胞診とHPV検査があります。どちらの検査法も子宮頸部の細胞を採取して検査します。
細胞診は従来から検診に使われていた検査ですが、HPV検査は最近実施されるようになった新しい検査法です。
細胞診は「がんを疑うような異常な細胞がないかどうか」を調べる検査です。
※現在新しい判定システム、べセスタシステムへの移行中であり、お住まいの地区により判定方法が異なる場合があります。
ベセスダシステム | 日母分類 | ||
---|---|---|---|
細胞診検査結果(※1) | 略語など(※2) | 推定診断(※3) | クラス |
陰性 | NILM | 非腫瘍性病変 炎症 |
I / II |
意義不明異型扁平上皮 | ASC-US | LSIL疑い | II / IIIa |
高度病変を除外できない異型扁平上皮 | ASC-H | HSIL疑い | III / IIIb |
軽度扁平上皮内病変 | LSIL | HPV感染 軽度異形成 |
IIIa |
高度扁平上皮内病変 | HSIL | 中等度異形成 高度異形成 上皮内がん |
IIIa IIIb IV |
扁平上皮がん | SCC | 扁平上皮癌(微小浸潤含む) | V |
異型腺細胞 | AGC | 腺異形成 腺系病変疑い |
III |
上皮内腺がん | AIS | 上皮内腺がん | IV |
腺がん | Adenocarcinoma | 腺がん | V |
その他の悪性腫瘍 | Other | その他のがん | V |
HPV検査は「子宮頸がんの原因ウイルスに感染していないかどうか」を調べる検査です(30歳以上では10人に1人の割合で感染)
細胞診とHPV検査を併用することで、病変の発見率がほぼ100%になり、また将来がんになるリスクがあるかどうか知ることができます。アメリカの産婦人科学会のガイドラインでは30歳以上に細胞診とHPV検査の併用検診が推奨されています。
その結果、細胞診、HPV検査の両方が陰性の場合は、次回の検診は3年後でよいとされています。
子宮頸がん検診は様々な種類があり、検診費用の負担者が異なります。
子宮頸がんを予防する為に、いずれの検診であってもまずは受診することが大切です。
地方自治体(市区町村)が住民を対象に実施している公的検診です。自治体が費用を一部負担してくれることが多いため、比較的安価で検診を受けることができます。 受診方法はお住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。
病院や健診センターなどで検診を受診することができます。受診する施設や日程などを自由に選ぶことができますが、保険適用外のため費用は全額自己負担になります。また、婦人科ドッグなどの中に子宮頸がん検診が含まれている場合もあります。
企業が従業員やその配偶者を対象に実施している検診です。企業の健保組合が費用を一部負担していることが多いため、比較的安価で検診を受けることができます。 検診の対象者や検診内容(婦人科検診がない場合も)は企業によって異なります。健保組合によっては主婦検診として下の「自己採取検診」を実施しているところもあります。
我が国でもHPVワクチンが発売されました。それに伴いニュースや情報番組・雑誌などで、このワクチンが取り上げられることが多くなり、当会にも問い合わせが来るようになりましたので、よくある質問に回答します。
「義務」ではなく、あなたの健康を守る「権利」の子宮がん検診。
健康保険別の検診方法をチェックしてみましょう。
自治体によっては受診券が届く場合があるようですが、分からない方は住民票のある自治体の保健所/センターへ電話して聞いてみましょう。
「子宮がん検診について聞きたいのですが」と言えば担当部署へ取り次いでくれるでしょう。
インターネットタウンページ http://itp.ne.jp/
勤務先では子宮がん検診を行っていますか?
あなたの会社が加入している健康保険組合に問い合わせてください。健保組合によっては30才以上が対象の場合もあるようですが、厚生労働省のガイドラインでは20才以上を対象とするよう勧めています。
また、オプション(若干の自己負担)で子宮がん検診を受けられる場合がありますので是非、受診してください。
会社で検診を受けられない場合は市区町村の保健所/センターへ問い合わせてみましょう。
あなたのパートナー(夫)の勤務先では主婦対象に子宮がん検診を行っていますか?
加入している健康保険組合に問い合わせてください。
受けられない場合は市区町村の保健所/センターへ問い合わせてみましょう。